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スタートレック:ネメシス

出典: Memory Alpha

現実世界
(現実視点での記事)
 ネメシス
Star Trek: Nemesis
公開日: 2002年
監督: スチュアート・ベアード
設定年代: 2379年

 スタートレック:ネメシスは2002年公開の劇場版スタートレックの第10作目である。監督は前2作にメガホンを取ったジョナサン・フレイクスに代わり、スチュアート・ベアード。事実上のTNG最終章である。

 永年の仇敵・ロミュランとの和平が題材になっているが、最大の見どころはピカードピカードの対決と、大迫力の宇宙艦戦闘シーンであり、スタートレックを熱心に視聴していなくても楽しむことができる。


 スチュアート・ベアードはスタートレックの熱心なファンではないが、脚本のジョン・ローガンTOS時代からの重度のトレッキーである点が面白い。
 ベアードはこれまでのスタートレック映画の伝統を払拭する映画作りに取り組んだ。例えば、オープニングで出演者のクレジットがされるといった慣習や、宇宙艦ワープや戦闘シーンのお決まりの演出、またテレビシリーズを熱心に視聴していないと楽しめない、といったスタートレックの悪癖を壊すストーリーボードを作った。一方でローガンの脚本づくりは、熱心なトレッキーも納得する、十分なボリュームを持つものとなった。


 しかしながらこの映画の興行収入は芳しくなかった。その原因として、アメリカでの公開直前に起きた9.11テロの影響が挙げられる。このときのアメリカの風潮が、ピカードの「敵を救いたい」という信念に合わなかったのだと言われている。

[編集] あらすじ

 地球にて、ウィリアム・ライカーディアナ・トロイの結婚式が行われた。盛大なお祝いの雰囲気の中、ピカード艦長は寂しさもまた感じていた。昇進するライカーとトロイはUSSタイタンへ、ビバリー・クラッシャー艦隊医療部へそれぞれ転属してしまうからだ。

 地球での式を終え、エンタープライズEは新郎新婦を乗せて今度はトロイの母星ベタゾイドへ2回目の結婚式に向かう。しかし道中、エンタープライズのセンサーは、奇妙なポジトロニック信号を拾う。
 発生源はロミュラン中立地帯近くのコラルス3号星から発せられていた。前ワープ時代の文明レベルであるコラルスではありえない信号のため、エンタープライズは調査に向かう。

 ピカードはウォーフデータと共に新型シャトル・アルゴで惑星に降り、そこでばらばらになったデータと同型のアンドロイドを発見する。エンタープライズのラボで組み立てられたB-4(Before)という名のアンドロイドは、データのプロトタイプ、最初期型のスン型アンドロイドだった。
 データはピカードの許可を得て、B-4に個性を与えるため、自分の記憶を移植する作業を始める。

 艦長室で報告書を書くピカード。そこに艦隊本部のキャスリン・ジェインウェイ提督から緊急通信が届く。前代未聞のことだが、ロミュラン帝国で政変があり、正式に外交使節を求められたらしい。そこでロミュラスに最も近い位置にいるエンタープライズに白羽の矢が立ったのだ。

 式を延期し、エンタープライズはロミュラスへワープする。

 作戦室でロミュランの政変について話し合われる。どうやらこれまでロミュラン人に隷属していたレムス人が反乱を起こし、新たにシンゾンというレムスの政務長官が就いたらしい。シンゾンは若く有能な指揮官で、すべての戦いで勝利を収めたという。

 ロミュラスに到着したエンタープライズ。そこに現れたのはシミターという巨大で重装備のウォーバードだった。シンゾンに招かれて、上級士官がシミターへ転送される。
 シンゾンと面会したピカードらは、シンゾンが地球人であることに驚く。さらに驚くべきことには、シンゾンは若い頃のピカードと同じ姿をしていたのである。説明しがたい怒りを感じるピカード。

 シンゾンはピカードのクローンであり、元は宇宙艦隊へのスパイとして生まれた。しかし計画は中止され、レムス人の奴隷とともにダイリチウム鉱山へ放り込まれた。10年以上太陽を見なかった彼は、レムス人の仲間とともにシミターを建造、反乱を起こし、ロミュラスを脅かす存在にまでなったのだ。
 惑星連邦と和平を結びたいと申し出るシンゾン。しかしピカードは、自分にそっくりなこの男の言葉を、心の底では信用していなかった。

 またエンタープライズは、シミターが危険なセラロン放射線兵器を所有していることを見抜く。さらには情報が盗まれた形跡も発見された。

 突然、ピカードが誘拐される。

 シミターに連れ去られた彼の前に、シンゾンとB-4。B-4はシンゾンが仕向けた罠だったのである。なんらかの手術を目論むシンゾンら。しかしそのB-4は実は戦略を見抜いていたデータであり、ピカードとデータはシミターのシャトルを奪って逃走した。シャトルを収容したエンタープライズは、そのまま最大ワープ速度で連邦領域へ引き返した。

 シンゾンの狙いが、セラロン放射線で地球を消滅させることだと分かった。ピカードは宇宙艦隊艦を数隻呼び寄せ、シミターを迎え撃つ戦略を立てた。

 しかし道中、亜空間通信が妨害されるバッセン断層に差し掛かったところで、突如エンタープライズは、遮蔽して追ってきていたシミターの魚雷掃射を受ける。ワープ不能となったエンタープライズに、シミターの攻撃が続く。ピカードはなんとか反撃を試みるものの、シミターへはほとんどダメージを与えられない。

 降伏しろと呼びかけるシンゾン。ピカードはあわれな自分自身であるシンゾンの、人間性を呼び覚まそうとするが、シンゾンは聞かない。

 疲れた表情のピカードの前に、ヴァルドア級のロミュラン・ウォーバードが2隻出現する。絶体絶命の危機に思えたが、「内政問題にこれ以上連邦を巻き込めない」と、ウォーバードは意外にもエンタープライズの支援を申し出た。
 エンタープライズとウォーバード2隻がシミターを攻撃する。しかしシミターの攻撃力は絶大で、ウォーバードは2隻とも戦闘不能になってしまう。エンタープライズはディアナ・トロイのテレパシー能力を使って、シミターに総攻撃を仕掛けることに成功するが、シールドに穴が開き始め、徐々に追い詰められていく。

 武器を使い果たし、シールドも弱まり疲弊しきったエンタープライズ。その時艦の前方に、シミターが悠然と旋回し、止まった。それがシンゾンの「自信過剰な慢心」だといち早く気づいたピカードは、残った全パワーをインパルス・エンジンに回して、シミターに特攻を仕掛ける。ふたつの艦はすさまじい勢いで激突。シミターとエンタープライズは共に甚大な被害を被った。

 覚悟を決めたシンゾンはセラロン放射線兵器を作動させ、エンタープライズを葬ろうとする。ピカードはシミターへ侵入し、シンゾンと対決する。激しい戦いの末、シンゾンは絶命する。シンゾンを殺してしまい、茫然とするピカード。
 支援に駆けつけたデータはそんなピカードを発見し、小型転送装置でピカードをエンタープライズに帰す。データはひとり「さようなら……」と呟くと、ためらいなくセラロン兵器にフェイザーを撃ち込んだ。

 突如大爆発するシミター。ブリッジに現れたピカードの姿に安心するトロイとラフォージだが、すぐにデータの殉職を悟る。ショックを隠しきれないピカード。上級士官とともに、シャトー・ピカールをあけ、データを追悼した。

 地球軌道上で修理を受けるエンタープライズ。大佐となったライカーを送り、新任のマッデン中佐が着任した。
 またピカードはB-4に「データがとても人間的だったことをよく知っておいてほしい」と語りかける。機関室へ呼ばれたピカードは、B-4の元を去り際、B-4がデータが歌っていた「ブルースカイ」を口ずさんでいるのに気づく。ピカードは笑みを浮かべて、機関室へ向かっていった。


[編集] ゲスト出演

 VOYで主役のキャスリン・ジェインウェイ艦長を演じたケイト・マルグルーが、ピカード艦長より先に昇進した、キャスリン・ジェインウェイ提督としてカメオ出演する。

 またTNGからはガイナン役のウーピー・ゴールドバーグが同役で出演する。ウェスリー・クラッシャーウィル・ウィートンも、台詞はないが同役で出演している。