ワープ・ドライブ
出典: Memory Alpha
この項では、ワープ航行そのものに関する技術の概略と、その開発史を述べる。
エンジンの構造に関しては、ワープ・エンジンの項を参照のこと。
ワープ・ドライブ(Warp Drive)は、光速を超える速度(超光速:faster-than-light=FTL)での宇宙航行を可能にするテクノロジーである。 これは、ワープ・フィールドによって形成される亜空間バブルで宇宙艦を包み込み、周囲の時空連続体を歪めて艦を推進するものである。 ワープ中の速度を示すための尺度は、ワープ・ファクターと呼ばれる。
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[編集] テクノロジー
ワープ・ドライブは、空間の構造を歪めることで艦を推進する。簡単に述べると、艦の前方および後方の空間を共に歪めることで光を超える速度での航行を可能にするものである。艦の前方の時空は縮小され、後方の時空は逆に拡張される。宇宙艦それ自身は、二つの時空の歪みの間にあるワープ・バブルの中に位置することになる。この歪められた空間が艦をワープ速度まで加速し、艦は歪みによって出来た時空の波を「サーフィン」するのである。
この方法により、空間そのものは動いているが、艦はその空間(ワープ・バブル)に対して相対的には停止しているという状態を作り出すことで、艦は超光速での航行が可能となる。 艦は、正確には「動いていない」状態にあるため、超光速で航行していても、艦内での時間の流れはワープバブルの外と変わらない。
24世紀において、連邦の使用するワープ・エンジンは燃料として正物質(デューテリウム=二重水素)と反物質(反デューテリウム=反二重水素)を用い、高周波の電磁フィールド内では反物質との反応を起こさないダイリチウム結晶によってその反応が制御される。この反応により、電磁プラズマと呼ばれる高エネルギープラズマが発生し、電磁プラズマシステム(EPS)を通じて磁気コンジットへと送られる。ワープ・プラズマは、ワープ・エンジン・ナセル(通常、船体から離れて配置されている)内の一連のワープ・フィールド・コイル内にあるプラズマ・インジェクターへと送り込まれる。このコイルは、ヴァーテリウム・コルテナイドと呼ばれる人工物質で出来ている。噴出された電磁プラズマと、ヴァーテリウム・コルテナイド製コイルの電磁的相互反応により、ワープ・フィールドが発生する。 他の文明では、例えばロミュランが人工量子特異点(人工ブラックホール)を使用しているように、異なる動力源が用いられることがあるが、基本的なプロセスは似通っている。
イントレピッド級などいくつかの艦には、亜空間に高速航行によるダメージを与えないよう、可変静翼ワープエンジンナセルが搭載されている。また、ソヴェリン級などの最新型の艦では、更なる技術革新により、パイロンを動かさなくても亜空間を傷付けずに高速航行ができる設計となっている。
[編集] 開発史
ワープ・ドライブや、その他の超光速推進技術は、文明同士の恒星間の行き来や、広大な恒星間宇宙の探索を可能とする要となるものであり、この技術無しには、これらの距離を現実的な時間内で移動することは不可能である。 例えば、地球に足を踏み入れた最初の異星人であるバルカン星人の母星は地球から約16光年の距離にある。2270年におけるインパルス推進での最大速度はワープ0.8であったが、この速度で地球からバルカン星まで行こうとすると、およそ20年を要する。ワープ・ドライブを使用すれば、この時間は4日にまで短縮される(スター・トレック The Motion Picture)
銀河系内のそれぞれの文明において、ワープ・ドライブの開発に要した期間やその時期は様々であり、バルカン(広義にはロミュランも含む)では、地球歴で3世紀頃には開発されていた。が、内戦によりその技術は失われ、再度確立するまでには数世紀を要した。
2151年に、地球の宇宙艦の速度はワープ7にまで達した。一方、同時期にクリンゴン人が有していた宇宙艦の最大速度はワープ6であった。地球におけるワープ・ドライブの研究がいつ開始されたのかは定かではないが、地球人類の進歩は非常に急速であり、大規模な宇宙探査の実現、ひいては惑星連邦の設立に繋がることになった。 惑星連邦では、ワープ・ドライブの開発は、文明の発達度を示す一つの指標とされている。連邦が接触するのは、ワープ・ドライブの開発を達成した文明のみとする旨、艦隊の一般命令第一条では定められている。
[編集] 21世紀
地球では、第三次世界大戦の後、ゼフラム・コクレーンにより最初のワープ・ドライブの開発が行われた。戦争の余波による混乱や、近代的な素材の不足を乗り越え、コクレーンはタイタンV型ミサイルを母体として、ワープ速度での航行が可能な宇宙船へと作り変えた。フェニックスと名付けられたその宇宙船が初飛行に成功したのは、2063年4月5日のことであった。この模様がバルカン人の探検船の注意を引き、ファースト・コンタクトと呼ばれる出来事へと繋ることとなった(スター・トレック/ファースト・コンタクト)。 コクレーンの開発したワープ・ドライブは、核分裂反応を動力源とし、燃料にはミサイルの弾頭から取った物質を使用していた。その後、信頼性のある物質/反物質反応炉の開発により、ワープ・ドライブの可能性は更に広がることとなった。
[編集] 22世紀
しかしその後80年間、ワープ技術の開発は遅々として進まなかった。これは、バルカン人の地球に対する干渉が主な要因であり、2140年代に至るまで、ワープ5研究所のヘンリー・アーチャーによって開発されたワープエンジンがワープファクター2を超えることは無かった。このエンジンは2番目のNX型試作機に搭載され、A.G.ロビンソンとジョナサン・アーチャーにより、ワープ2の壁を打ち破り、ワープ2.5での飛行に成功した。 2151年、ワープ5での航行が可能とされるワープ・ドライブが開発され、人類最初の航宙艦であるエンタープライズNX-01に搭載された。最初はそのポテンシャルを最大限に発揮することができず、ワープ4.7までの速度しか出せなかったが、その後、2152年2月9日に、遂にワープ5を達成した。 2161年、宇宙艦隊は速度ワープ7を達成、以後の新造艦にこの新型のエンジンが搭載されることになった。
[編集] 23世紀
ワープ・ドライブの開発、改良は順調に進み、2240年代における宇宙艦隊のコンスティテューション級宇宙艦は巡航速度ワープ6、緊急時速度ワープ8(適切な状況下においてはワープ9)での航行が可能であった。 2236から2254年にかけて、いわゆる「タイム・バリアー」と呼ばれる障害の克服という、ワープ技術上の大きな進歩が見られ、コンスティテューション級の艦はその恩恵を受けることが出来た。 更に大きなワープファクターが、異星人の介入や、機器の暴走といった原因により達せられることもあった。2268年、USSエンタープライズはケルバ人により、ワープ11の航行速度を維持できるよう改良された。また、その後、ロジラという異星人女性の破壊工作により、エンタープライズはワープ14.1の速度を出したが、それも彼女が消滅するまでの間のことであった。
およそその年代の頃に、ワープエンジンは再設計が行われ、コンスティテューション級は改装を受けるにあたり、それまでの円筒状のワープナセルから平らな形状のものに換装された。これにより、ワープ8での巡航速度が可能となった。(TMP)
2280年代半ばには、理論的には従来の物よりも高いスピードを高効率で実現するトランス・ワープ・ドライブの実験がUSSエクセルシオで行われたが、これは失敗に終わり、計画は打ち切られた。 エクセルシオ自身は、エンジンを従来型の物に換装、NCC-2000として就役し、ヒカル・スールー(カトウ)艦長の指揮で功績を挙げた。
[編集] 24世紀
ギャラクシー級宇宙艦が設計された2360年代には、ワープ9.6を12時間維持することが可能であったが、ワープ9.2が一応の「非常線」とされた。
24世紀に入ってから、ワープファクターの基準に変更が加えられた。それまでは、単純にワープファクターの3乗=光速に対する倍数であったのが、新基準では、パワー消費とその等価速度に関連して指数的に増大していく、より複雑な公式に置き換えられた。ワープ10は無限大の速度と定義される。
2370年、ヘカラス人科学者であるセロヴァは、ワープエンジンの使用が時空の構造にダメージを与えることを発見。連邦評議会は、緊急の医療処置が必要な場合など非常時を除いて、全ての航宙艦に一時的にワープ5の速度制限を課した。 その後、この問題への解決策が見つかり、宇宙艦隊の航宙艦は再び最大速度での航行が可能となった。最初に採られた解答は、ワープナセルのパイロンの角度が変更可能な可変静翼ワープエンジンナセルであった。この方法は、イントレピッド級航宙艦で実現された。後に、可変ワープナセルを必要としない全く新しい設計のワープナセルが開発され、ソヴェリン級等の宇宙艦に搭載された。
[編集] 以後の未来
並行時間軸との遭遇や、時空の異常といったものが、宇宙艦隊の科学者たちにワープ・ドライブの将来の可能性を示すことになった。2395年、ジャン=リュック・ピカードの見た可能性の未来の中では、ワープファクターは再度変更されており、少なくともワープ13を示すことが出来るようになっていた。
ワープ・ドライブの進化は、量子スリップ・ストリーム・ドライブなどの新技術により、以後も続いていくものと思われる。


